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東京の格安スーパー比較 2026|都内の安いスーパー主要7社を徹底分析して見えた勢力図

都心で安いスーパー7社を決算資料で分解した。オーケーは経費率17.4%、まいばすけっとは東京都に879店。1店舗あたり年商はオーケー43億に対しまいばすけっと2.4億で18倍の開き。西友を買収したトライアルが都心に入ってきた2026年の勢力図まで。

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都心の格安スーパー 2026|主要7社を徹底分析して見えた勢力図

「都心って何を買っても高いんでしょ?」「安いスーパーって結局どこなの?」——検索すると出てくるのは、行った感想か、チラシの貼り付けばかり。なぜ安いのかを説明している記事がない。

だからアタシが作った。都心で買える格安スーパー7社を、各社の決算資料と店舗数から分解する。安さの理由は7社でぜんぶ違う。経費率で勝つ会社、仕入れで勝つ会社、店を小さくして数で勝つ会社——同じ「安い」でも中身が別物なのよ。

Daily Hackマスコット
先に一番の驚きを言っとく。1店舗あたりの年商は、オーケーが43.4億円で、まいばすけっとが2.4億円。18倍の開きがある。どっちも「安いスーパー」なのに、稼ぎ方が正反対なの。

30秒で分かる、都心の格安スーパーの世界

カード画像は Wikimedia Commons(CC BY-SA / CC0・各撮影者)ほかより引用。出典は各セクションに記載。

2026年、都心の地図が変わった|トライアルが西友を買収

都心の格安スーパーの話は、この1件を抜きにできない。

九州発のディスカウントストア「トライアル」が、2025年7月1日に西友の全株式を取得して完全子会社化した。 買収額は3,826億円。株式は KKR 傘下のファンドから85%、ウォルマート傘下から15%を買い取っている。

出典:トライアルホールディングス「株式会社西友の株式の取得(完全子会社化)に関するお知らせ」/同「トライアルホールディングスと西友の経営統合が完了」/流通ニュース「トライアルHD/西友買収で売上高1兆2000億円、585店舗体制へ」

西友の建物にTRIAL SEIYUの看板が乗った花小金井の店舗
西友の建物に「TRIAL SEIYU」の看板。左下には「24h」の表示も出ている(花小金井・2026年4月撮影)。出典: Wikimedia Commons(運動会プロテインパワー・CC BY-SA 4.0)

これが効くのは、両者が持っていたものが正反対だから。

買収前トライアルHD西友
地盤九州・郊外首都圏・駅前
強みAI・スマートカート・24時間店舗の立地
店舗数343店(2024年6月期)242店(2024年12月期)
売上7,179億円(2024年6月期)4,835億円(2024年12月期)

単純に足すと、買収の時点で585店・売上1兆2,014億円・営業利益426億円。 そこから1年で、こうなった。

買収後グループ合計
店舗数621店(うち西友243店)
次期の見込み売上1兆4,582億円(+8.2%)・営業利益390億円(+28.4%)

店舗数は585 → 621で36店 増え、売上は1兆2,014億 → 1兆3,471億で1,457億円 増えた。 買収の翌年に、足し算より上に出ている。

郊外で磨いた「安く売る仕組み」が、西友の駅前の箱に入ってくる。 これが2026年に起きていること。

すでに新フォーマット「トライアル西友」が2025年11月・2026年2月・2026年4月に3店オープンしている。トライアル流の棚割りと共同キャンペーンが効いて、既存店売上は10か月連続でプラス、客数も10%超まで回復した。

トライアルの武器はスキップカート。カートに付いたスキャナで商品を読みながら買い、レジを通らずに出られる。人件費とレジ待ちを同時に削る仕組みで、これが西友の店舗に入っていく。

いくらで買えるのか|テレビが116台のカメラで測った価格

2026年2月22日、TBS「坂上&指原のつぶれない店」が、都内のスーパー激戦区に番組史上最多の116台のカメラを入れた。 対象は ロピア・オーケー・トライアル西友 の3社。

そこで実際に映った価格がこれ。

店商品価格
オーケーくるみパン(顔くらいの大きさ)259円
トライアル西友カツ丼299円
ロピア野菜詰め放題430円
Daily Hackマスコット
言っとくけど、この3つは別々の商品よ。「くるみパンとカツ丼、どっちが安い?」なんて比べようがない。じゃあ同じ商品で並べればいいじゃない——それができない理由が、この7社の性格そのものなの。

なぜ「同じ商品を横並び」が作れないのか

7社のうち、値段を公表しているのは一部だけ。 しかも公表しない理由が、そのまま各社の安さの型になっている。

店値段の公表なぜそうなるか
オーケー特売チラシは出さない(週次の商品情報紙はある)EDLP だから。毎日同じ安い価格にすると、特売のための販促費・値札の貼り替え・人の張り付きが要らなくなる。この経費削減ぶんが価格に回っている。「今週これが安い」ではなく「この商品はいくらです」を配る形になっている
ロピア店舗ごと・その日ごと精肉の仕入れがその日の相場で動く。全店共通の定価という考え方をとっていない
肉のハナマサ公表している飲食店のプロが仕入れに使う。事前に値段が分からないと発注できない
西友公表している駅前の一般客向け。チラシで来店を作る従来型のスーパー
業務スーパー公表しているただし自社製造品が中心で、他店に同じ商品が無い。並べる相手がいない

「同じ棚に他店と同じ商品が並んでいない」——これがこの7社の実態。 だから番組も、同じ商品ではなく各社の看板商品を測るしかなかった。

実際に確かめた。 各社のチラシ・特売・商品ページ 8ページを取得して、価格の記載を機械的に数えた(2026-09-10)。

取得したページ本文の長さ価格の記載
西友 チラシ/トップ1,418字/2,320字0件
業務スーパー 最安値/商品2,591字/4,284字0件
ドン・キホーテ WEBチラシ/商品情報9,388字/2,455字0件
肉のハナマサ/オーケー トップ734字/2,511字0件

8ページとも取得はできたのに、価格は 1 件も出てこない。 値段は文字ではなく、チラシの画像の中にあるから。だから「今週の卵はどこが安いか」を横断で調べる方法が、そもそも用意されていない。

そのうえで、この記事にはひとつだけ「同じ土俵の数字」がある。100gあたりの単価。 下のハナマサの値札が実物で、港区・南麻布で100gあたり89円。看板商品どうしの比較と違って、これは他店の精肉と直接ぶつけられる数字になる。

番組で「衝撃」と言われたロピアの巻き寿司は、実物がこれ。

ロピアの巻き寿司のパック
ロピアの寿司。番組では「はみ出し巻き寿司」として取り上げられた。出典: Wikimedia Commons(RuinDig/Yuki Uchida・CC BY 4.0)

さらに、港区・南麻布の肉のハナマサで撮られた値札がこれ。

肉のハナマサ南麻布店の値札。若鶏バラ凍ササミ965gが税込927円
若鶏バラ凍ササミ(解凍)965g が本体858円・税込927円。100gあたり89円(税抜)。加工者は「株式会社花正 南麻布店」——港区のど真ん中の値段(2025年4月撮影)。出典: Wikimedia Commons(Syced・CC0)
  • 価格は店舗と時期で変わる

    同じチェーンでも店によって違い、改定もある。上の数字は「その時その店でいくらだったか」であって、いま行けばこの値段という保証ではない。

  • 各社は統一の価格表を出していない

    とくにオーケーはEDLP(毎日同じ安い価格)を掲げていて、そもそもチラシを出さない。だから「全社の同じ商品を横並び」にした表は、公開情報からは作れない。

数字で見る都心の7大スーパー

7社を同じ表に並べる。 決算期がバラバラなので、そこも一緒に出す。

会社(ブランド)決算期売上店舗数1店あたり年商
オーケー2026年3月期7,548億円174約43.4億円
トライアルG(西友を含む)2025年11月期1兆3,471億円621約21.7億円
肉のハナマサほか(JMHD スーパー事業)2025年7月期1,815億円114約15.9億円
まいばすけっと直近約3,000億円1,262約2.4億円
業務スーパー(神戸物産)2025年10月期5,517億円1,122—
ドン・キホーテ(PPIH)2025年6月期2兆2,467億円787(国内664)—

下の2社に「1店あたり年商」を入れていないのは、計算しても意味が出ないから。 神戸物産の売上はフランチャイズ店に卸した額であって、店頭で売れた額ではない。PPIH は総合ディスカウントストアで、食品以外が売上の大きな部分を占める。同じ割り算をすると、比べてはいけないものを比べたことになる。

売上で並べると

まず並べてよい4社だけを出す。 食品スーパーとして売上を比べられるのは、この4社。

トライアルG(西友含む)
1.35兆円
オーケー
7,548億
ロピア
6,555億
まいばすけっと
約3,000億

JMHD(肉のハナマサほか)の1,815億円はスーパー事業だけの数字なので、上の4社と同じ土俵に置ける。参考までに、まいばすけっとの約6割にあたる。

並べてはいけない2社

ドン・キホーテと業務スーパーは、同じ棒に並べるとミスリードになる。 数字の意味が違う。

会社売上なぜ並べられないか
ドン・キホーテ(PPIH)2兆2,467億円総合ディスカウントストアの数字。家電・日用品・化粧品・免税まで含み、しかもユニーなどグループ全体。食品スーパーとしての売上ではない
業務スーパー(神戸物産)5,517億円フランチャイズ店に卸した額。店頭で売れた額ではない。1,122店のほとんどがFC店で、直営は4店だけ

「売上2.2兆円だからドンキがいちばん安い」は成り立たない。 規模の話と安さの話は別で、この記事が見ているのは後者。

店舗数で並べると、順番が入れ替わる

まいばすけっと
1,262店
業務スーパー
1,122店
ドン・キホーテ(国内)
664店
トライアルG
621店
オーケー
174店
ロピア
145店
JMHD スーパー事業
114店

店舗数はまいばすけっとと業務スーパーが1,000店超で、オーケー・ロピアは200店に届かない。売上の順番とまったく違う。この入れ替わりが、都心での戦い方の違いをそのまま表している。
※ドン・キホーテと業務スーパーは業態が違うため、店舗数は規模の参考として置いている。

東京都に何店あるか

「都心で買える」という話をするなら、ここがいちばん効く。

チェーン全国東京都東京比率出どころ
業務スーパー1,12286約8%店舗一覧の集計
オーケー17482約47%店舗一覧の集計
ドン・キホーテ664(国内)76約11%店舗一覧の集計
西友(トライアルG 621に含む)75—店舗一覧の集計
ロピア14512約8%店舗一覧の集計

「公式の公表」と「店舗一覧の集計」を分けてある。まいばすけっととハナマサは会社自身が東京比率を出しているが、他の5社は公表していないので、店舗検索ページの東京都の件数を数えた値(2026年9月時点)を置いた。店舗は増減するので、正確な数はリンク先の店舗一覧で見ること

東京の密度で見ると、順位がまるごと入れ替わる。 全国店舗数ではまいばすけっと(1,262)と業務スーパー(1,122)が並ぶのに、東京都では879対86で10倍の差がつく。業務スーパーはフランチャイズで全国に散っている一方、まいばすけっとは首都圏に寄せて出しているからで、同じ「1,000店超」でも中身がまったく違う。

東京比率で見るべきは、まいばすけっと・ハナマサ・オーケーの3社。

  • まいばすけっと 約70%(879店)|住宅地の密度で成立している。

    1店あたり年商は2.4億円と最小だが、都内で最も遭遇しやすい。「安さ」より「そこにある」が価値になっている。

  • 肉のハナマサ 約71%(46店)|飲食店の業務用需要で成立している。

    比率はまいばすけっとと同じでも、理由が正反対。店舗数が46しかないので、近くに無ければ関係のない話になる。

  • オーケー 約47%(82店)|174店の半分が東京にある。

    全国では小さいチェーンだが、東京に半分を集めている。この記事が見ている「毎日安い」を都内で受け取れるのは、この密度があるから。

  • ロピアは東京12店。

    1店あたり年商45.2億円で7社中トップなのに、都内では12店しかない。神奈川が本拠で、東京はこれから増える段階にある。

勢力図|大箱と小箱

横が店舗数、縦が1店あたり年商。 右下へ行くほど「小さい店を数で敷く」型、左上へ行くほど「大きい店で稼ぐ」型になる。

50億 25億 0
↑ 大箱で稼ぐ 小箱を数で敷く →
0店 350店 700店 1,050店 1,400店

業務スーパー(卸売)とドン・キホーテ(総合ディスカウント)は、1店あたり年商の意味が変わるため置いていない。

左上と右下に、きれいに分かれる。 同じ「格安スーパー」でも、ロピアとオーケーは大箱で客単価を取りに行き、まいばすけっとは小箱を都心に敷き詰めて回数で取りに行く。トライアルは西友を買収したことで、その真ん中に立った。

① オーケー|経費率17.4%で「毎日安い」を成立させている

オーケー日吉店の外観。OK Discount Centerの看板
看板に「高品質・Everyday Low Price」。営業時間は8:30〜21:30(日吉店)。出典: Wikimedia Commons(Suikotei・CC BY-SA 4.0)
売上(2026年3月期)7,548億円(前期比 +10.0%)
営業利益410億円(+5.9%)
店舗数174店(関東10・関西5の計15店 純増)
粗利率 / 経費率23.9% / 17.4%
公式オーケー株式会社

この2つの数字がオーケーの正体。 粗利23.9%というのは食品スーパーとしてかなり薄い。普通なら利益が残らない。それでも増収増益なのは、経費率が17.4%しかないから。

経費を削るために何をしているか。

  • セールをやらない

    EDLP=毎日同じ安い価格。特売のたびに発生するチラシ代・値札の貼り替え・人の張り付きが、まるごと要らなくなる。

  • 店の作りを標準化する

    どの店も同じ設計にして作業を揃える。従業員1人あたり・売場1㎡あたりの売上が同業より高い。

  • 国道16号の内側に固める

    物流を効率化するため出店エリアを絞り、近年はとくに東京23区内を強化している。

② ロピア|精肉店から始まった会社が、現金で通してきた

ロピアの店舗看板。食生活ロピア
看板は「食生活 ロピア」。赤い箱に白抜きのロゴが乗る。出典: サンキュ!マガジン
売上(2026年2月期 見込み)6,555億円(前期比 +26%)
店舗数145店(2026年1月時点・22都道府県と台湾)
源流精肉店
支払い現金中心。2025年3月から対象店でアプリ決済に対応
公式株式会社ロピア

+26%は、この7社で断トツの伸び。 安さの源は2つ。

ひとつは精肉の仕入れ。精肉店として積み上げたルートがそのまま強みになっていて、肉の品ぞろえと大容量パックでファミリー層を広域から集めるモデルになっている。

もうひとつが現金中心。カードや電子マネーの端末代・決済手数料を価格に乗せない、という考え方だった。

ただし全部が安いわけではない。 実際にこういう声も出ている。

「看板商品は強いが、全品目が最安ではない」——これはロピアに限らず、この記事の7社すべてに当てはまる。だから使い分けが要る。

③ 業務スーパー|7社でただ1社、自分で作っている

業務スーパー深江橋店の外観。毎日がお買得の看板
看板に「毎日がお買得」。郊外型の大きな店から、都心の小型店まで幅がある。出典: Wikimedia Commons(MASA・CC BY-SA 3.0)
店舗数全国1,122店(2025年10月末)
売上(2025年10月期)5,517億円(前期比 +8.6%)/営業利益 398億円(+15.9%)
運営株式会社神戸物産(フランチャイズ中心)
安さの型製販一体——自社グループの工場で作る/自前で大量輸入する
公式業務スーパー

ほかの6社は「安く仕入れて安く売る」。業務スーパーだけが「自分で作って売る」。

自社グループの工場でオリジナル商品を製造し、輸入も全国展開のスケールで一括してやる。だから他社が同じ商品を仕入れて並べても、原価の出発点で勝てない。

冷凍食品と大容量の調味料が強いのはこの構造の帰結で、「同じ棚に他店と同じ商品が並んでいない」のがいちばんの特徴になる。

④ まいばすけっと|東京都に879店。小さくして数で勝つ

まいばすけっと井荻駅東店の外観
営業時間は9:00〜24:00・年中無休(井荻駅東店)。商店街の一角にそのまま入る大きさ。出典: Wikimedia Commons(Suikotei・CC BY-SA 4.0)
店舗数1,262店(うち東京都879店=約7割)
売上3,000億円規模(10年で約3倍)
出店計画2026年度以降は年200店以上
運営イオングループ
公式まいばすけっと株式会社

この会社の戦い方は、ほかの6社と根本的に違う。

大きな店を作って遠くから客を集めるのではなく、店を小さくして、歩いて行ける距離に敷き詰める。 商品数を絞り、セルフレジで人を減らし、広告もほとんど打たない。

比べる相手はスーパーではなくコンビニ。「コンビニより安く、スーパーより近い」が成立する場所にだけ出す。だから東京都に7割が集中する。

⑤ 肉のハナマサ|全国65店のうち46店が東京都

肉のハナマサPLUSの店頭。黄色い看板と店先の野菜
「肉のハナマサPLUS」の店頭。For professional Plus For consumer——プロと一般客の両方に売る、と看板に書いてある。出典: 相鉄不動産販売「すみかうる」
店舗数全国65店のうち東京都46店=約71%
営業時間24時間営業の店が多い(赤坂店など)
客層飲食店のプロと一般客の両方
公式肉のハナマサ 東京都の店舗

まいばすけっと(東京7割)とハナマサ(東京7割)。まったく違う業態なのに、都心集中率がほぼ同じ。

ただし理由は逆。まいばすけっとは住んでいる人の数を追って都心に集まり、ハナマサは飲食店の数を追って都心に集まっている。

業務用の大容量パックがそのまま一般客に売られるので、同じ肉が100gあたりで安くなる。 前に出した南麻布店の値札がその実例で、965gのササミが税込927円=100gあたり89円だった。

⑥ ドン・キホーテ|スーパーが閉まったあとの受け皿

ドン・キホーテ六本木店。激安の殿堂の看板
六本木店。「激安の殿堂」の看板と免税表示。出典: Wikimedia Commons(Syced・CC BY-SA 3.0)

食品専門ではないので「スーパー」から外されがちだけれど、都心で夜に食料品を買える場所として外せない。とくに MEGAドン・キホーテ は生鮮も置く。

安さの作り方はほかと違って、圧縮陳列が本体になっている。棚に詰め込んで「探す」体験を作り、ついで買いで客単価を上げる。1品の安さより、滞在時間で回収する型。

1店舗あたり年商で見ると、安さの作り方は正反対だった

ここがこの記事でいちばん言いたいところ。 数字で見る都心の7大スーパーで出した勢力図は、そのまま「安さの作り方が2種類ある」という話になる。

ロピア45.2億に対して、まいばすけっと2.4億。18.8倍の開き。 同じ「安いスーパー」なのに、稼ぎ方が正反対だと分かる。

ロピア
45.2億円
オーケー
43.4億円
トライアルG
21.7億円
肉のハナマサほか
15.9億円
まいばすけっと
2.4億円
  • 大箱・高回転で薄利を成立させる型

    オーケー・ロピア・トライアル。1店に人を集め、量をさばいて、1品あたりの粗利が薄くても総額で回す。だから駅前の小さな物件には出せない。

  • 小箱・高密度で固定費を下げる型

    まいばすけっと。1店の売上は小さいが、家賃も人も少ない。品数を絞って回転だけ上げる。だから都心の狭い区画に何百店も置ける。

「都心で安い店」を探すとき、この2つを混ぜて比べても意味がない。 まとめ買いなら前者、日々の買い足しなら後者。そもそも競合していない。

安い日をどこで知るか|チラシ・アプリ・公式Xの一覧

この7社は「いつ安いか」の知らせ方がバラバラで、それ自体が戦い方の違いになっている。 チラシを出す会社、アプリに寄せた会社、そもそも「安い日」を作らない会社がある。公式が出している入口だけを並べる。

チェーン公式の入口出しているもの公式X
西友 チラシを探すエリア別のチラシ期間が明記された従来型のチラシ。店舗のエリアを選ぶと出る。毎週 月曜・土曜は楽天ポイント増量日@seiyu_japan
トライアル 店舗・チラシアプリ「TRIAL+」に寄せているチラシと限定クーポンがアプリに届く。マイレージキャンペーンも同じ入口@TRIALCOMPANY
ロピア全国共通のチラシが無い値段が店舗ごと・その日ごとに動くため、全店に配れるチラシを作れない。店頭とXで告知する@lopia_official
ドン・キホーテ WEBチラシ店舗別のWEBチラシアプリ「majica」の会員限定フェアが別にある—
肉のハナマサ公式サイトのお知らせ値段を常時 公表しているので、「安い日」を告知する作りになっていない公式サイトにリンク無し
業務スーパー 東京都の店舗店舗ごと自社製造品が中心で、特売より通常価格そのものが安い作り—

出典:各社の公式サイト(2026年9月20日 取得)。Xのアカウントは公式サイトからリンクが辿れたものだけを載せている(推測で載せていない)。ドン・キホーテ・業務スーパーの「—」は公式サイトにリンクが無かったという意味で、アカウントが存在しないという意味ではない

ここが7社でいちばん分かれるところ。 「安い日」を告知する会社と、そもそも安い日を作らない会社に割れている。

  • チラシを見る意味があるのは、西友とドン・キホーテ。

    どちらも期間が区切られた特売を出しているので、日を選ぶと得になる。西友は毎週 月曜・土曜が楽天ポイント増量日で、これは曜日が固定なので覚えるだけでいい。

  • オーケーのは「チラシ」ではなく「商品情報紙」。

    週次で出ているが、載っているのはその商品がいくらかであって、今週だけの値段ではない。EDLPなので、いつ行っても同じ。日を選ぶ必要がない。

  • トライアルはアプリに全部 寄せている。

    チラシも限定クーポンもマイレージも「TRIAL+」に届く形。アプリを入れないと情報が来ないので、使うつもりなら最初に入れる。

  • ロピアに全国共通のチラシは無い。

    値段が店舗ごと・その日ごとに動く作りなので、配れるチラシが原理的に作れない。行ってみるまで分からないのが、この店の性格そのものになっている。

使い分け表|何を、どこで買うか

7社の性格を、買うものから引けるようにした。

買うもの・場面向いている店理由
日用品・調味料をまとめてオーケーEDLPなので特売日を狙う必要がない。いつ行っても同じ
冷凍食品・大容量業務スーパー自社製造の商品が中心で、そもそも他店に同じものが無い
今日の晩ごはんだけまいばすけっと歩いて行ける距離にある。24時までやっている店が多い
深夜ドン・キホーテ / 肉のハナマサ / トライアル西友24時間営業の店がある
レジ待ちを避けたいトライアル西友スキップカートでレジを通らずに出られる

米や飲み物みたいな重い物は、店まで運ばずにネットスーパーで届けてもらう手もあるわよ。

よくある質問

  • 結局、いちばん安いのはどこ?

    品目による。1店で全部が最安になる店は無い。肉ならロピアかハナマサ、日用品ならオーケー、冷凍なら業務スーパー——というのが、各社の安さの作り方から導かれる答え。

  • ロピアは現金しか使えない?

    2025年3月12日から、対象店舗ではロピアのアプリを使えばキャッシュレス決済ができる。全店・全手段ではないので、行く店の対応は事前に確認したほうがいい。

  • 西友はなくなるの?

    西友の店舗はトライアルグループの中で243店ある。一部が新フォーマット「トライアル西友」に業態転換していて、2026年4月までに3店。全店が置き換わるとは公表されていない。

  • オーケーはなぜチラシを出さないの?

    EDLP(エブリデイ・ロー・プライス)だから。毎日同じ安い価格にすると、特売のための販促費・値札の貼り替え・人の張り付きが要らなくなる。この経費削減ぶんが価格に回っている。

  • まいばすけっとはイオンなのに、なぜイオンより安いことがある?

    売っているものが違う。品数を絞って回転の速い商品だけを置き、プライベートブランド中心にしているため。品ぞろえの広さを捨てて価格を取る設計になっている。

出典:オーケー 業績/流通ニュース(トライアルHD 決算)/流通ニュース(西友買収)/流通ニュース(まいばすけっと出店計画)/神戸物産 業務スーパー事業/肉のハナマサ 東京都の店舗/ダイヤモンド・チェーンストア(トライアルの西友買収)。写真は Wikimedia Commons(CC BY-SA / CC0・各撮影者)。価格は撮影時点のもので、店舗と時期によって変わる。

Daily Hackマスコット
「都心は高い」って言われるけど、7社ぜんぶが都心で戦ってるのよ。しかも大箱と小箱で戦い方が正反対だから、使い分ければ両方おいしい。まとめ買いは大箱、今日のぶんは小箱。それだけ覚えて帰って。

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